数々の賞を取り隠れた名作と名高い前作「FAR: Lone Sails」から約4年。待望の第2弾「FAR: Changing Tides」がリリースされ、私もクリアまで到達。余韻の消えぬうちにレビュー。ちなみに前作もクリア済。
水没した終末世界のエモーショナルな紀行
本作は、前作同様、横スクロール・サイドビューのアドベンチャーゲームである。この世界にただ一人取り残されたかのような主人公が、ゲームタイトルの絵にも描かれている潜水艦にも船に見える奇妙な乗り物を操りながら、ひたすらに航海を進めていく。前作は、陸路であったが、保作は海路というわけである。
ゲーム冒頭に多少のチュートリアルはあるものの、テキストやストーリ、セリフなどは表示されない。この点も前作同様である。したがって、ストーリテーリングや考察はある程度、プレイヤー自身に委ねられれている。
潜水艦のような乗り物は、道中で拾った燃料を燃やすことで前進する。あるいは、船体の上部についた帆をうまく使って、風力によって進めることも出来る。ゆったり流れる美しくも退廃的な世界と印象的な環境音や音楽に身をゆだねながら、ひたすらに海路を進めていく。嵐や暴風に見舞われることもあれば、静寂に包まれることもある。まさに緊張と緩和であり、このゲームならではのユニークな体験である。
絶妙なバランスの「航海」パートと「謎解き」パート
何かにぶつけたりすると、帆が壊れたり、エンジンを加熱しすぎると故障してしまう。エンジンがオーバーヒートしないように水でエンジンを冷やしたり、燃料切れを起こさないように、うまく風力を使う必要もある。そこまでシビアではないものの、資源管理も本作のゲーム性の1つだ。
航海を進めると、突如、船のゆく手を遮る障害物や建造物が現れる。潜水したり、時には、船から降りて、船が通れるようにパズルを解く必要がある。謎解き自体は、そこまで難易度の高いものではなく、何度か試行錯誤すれば、誰でも突破できるレベルのものだ。謎解きをクリアする度に、船に新たな能力が追加されて、活動の幅が広がっていく。
謎解きに成功すると、大きな装置が稼働したり、大きな水門が開き、また次の航海パートへ進んでいく。ゲーム後半になると、その仕掛けも大掛かりとなり、プレイヤーを驚かせてくれる。
まとめ
前作の「FAR: Lone Sails」同様、船を操りながら、荒廃した世界を進んでいく、本シリーズならではの体験。プレイ時間は6時間程度で、中弛みすることもなく、なんとも言えない読了感に包まれながらエンディングを迎えることが出来る。
前作が楽しめた方は、もちろん直接なストーリのつながりはないため、本作からでもプレイ可能である。また本作が気にいった方は、前作も強くお勧めできる。
前作「FAR: Lone Sails」との、つながりはないため、本作からのプレイも可能。