「HOUSE OF ASHES | ハウス・オブ・アッシュ」評価・レビュー

HOUSE OF ASHES

THE DARK PICTURESシリーズの第3弾「HOUSE OF ASHES | ハウス・オブ・アッシュ」。私は、本シリーズは、第1作の「 MAN OF MEDAN(マン・オブ・メダン)」、第2弾の「LITTLE HOPE(リトル・ホープ)」といずれもプレー済。B級ホラー映画のようなあの感じを見事にアドベンチャゲームに落とし込んだ本シリーズは、コンパクトなボリュームと相まって毎回楽しむことが出来ている。本作も早速クリアしたので、レビューする。

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王道B級ホラー風アドベンチャー再来

舞台となるのは2003年のイラク。

ザグロス山脈の影に隠れた地下化学兵器施設の疑いのある建物の調査を命じられるCIAエリート部隊。
そしてそれを待ち伏せをするサリム・オスマン軍曹率いる現地パトロール隊。

双方の争いの最中、突如地震が発生し地面が陥没、彼らは地下深くに埋もれたシュメール神殿の遺跡に投げ込まれてしまう。

それと同時に、アラビア砂漠の下の暗闇の中で邪悪な〝何か〟が目覚める。その恐ろしい未知の古代生物の巣は、新たな獲物を待っていた…。

https://darkpictures-jp.bn-ent.net/

前作プレイ時とのレビューでも述べたが、本作は、色々な意味で話題になった「Until Dawn – 惨劇の山荘」流れを汲む、サバイバルホラー形式のアドベンチャーゲームである。

カメラアングルや、効果音の使い方、登場人物の表情など、B級ホラー映画の「あの感じ」が見事にゲームに落とし込まれており、本シリーズを手掛けるゲームスタジオの十八番となっている。

本作は、イラク戦争末期を舞台に、大量破壊兵器を捜索する任務を負っていた特殊部隊が、とある地下深くの遺跡に迷い込むところから始まる。5人の個性の異なる登場人物が、プレイヤーの選択の元、生き残りをかけて、さまざまな恐怖体験を乗り越えていく。5人全員が生き残るか、全員死亡するかは、プレイヤー次第であり、どちらになっても物語の結末が用意されている

本作のシナリオは、前半はオカルトもののありがちな内容かと若干退屈であったものの、中盤から盛り上がりを見せ、最後まで一気に楽しむことが出来た。とはいえ、あくまでも「B級」であることには変わらない。上質な「B級」を、徹底的に作り込んでいるのが本シリーズの売りである。

ちょうど良いボリューム

HOUSE OF ASHES

本作も、前作同様、ゲームボリュームは比較的コンパクトで5~6時間程度で、エンディングを迎えることが出来る。1日、2日もあればクリアできるので、人によってはボリューム不足を感じるかもしれない。

ただ、ゲームの内容的にもこの位のボリューム感が丁度適切であると感じる。もっとも、収集要素をすべて集めたり、マルチエンディングをすべて確認しようとすると、もう少し時間を要することになる。

アドベンチャーゲームの遊びを拡張するシステム

本作のゲームシステムについてはもはや説明不要であるが、本作ではソロプレイの他、2人で別の視点から物語を進めていく「シェアストーリーモード」、最大5人でコントローラーを回し、それぞれ別のキャラクターが割り当てられて物語を進めていく「ムービーナイトモード」が用意されている。

基本的にはアドベンチャーゲームは一人でプレイするユーザが多い中、複数人での遊びを提供するこれらのシステムは新しい試みであると言える。

気になったポイント

安定した楽しさを提供している本シリーズではあるものの、いくつか気になるポイントも散見される。

古典的なQTEシステム

心音QTE

一方で、本作はかなりの頻度でQTEによるボタン操作を求められる。それも割とタイミングが唐突でシビアであり、このQTEの成功、失敗が登場人物の行方に大きく影響するためQTEが苦手なプレイヤーは若干注意が必要である。とはいえ、QTEの時間を無効化するなどの難易度調整も用意されているので、その点は問題ない。

不親切な周回プレイ向け機能

これは前作レビュー時にも書いたことであるが、本作は、マルチエンディングとなっており、周回プレイが前提となった作りであるにも関わらず、周回プレイへの配慮が出来ていない。チャプター選択は用意されているが、相変わらずムービースキップ、メッセージの早送り機能は実装されておらず、その点は残念である。

Supermassiveのホラーアンソロジー“The Dark Pictures”シリーズ。次作である第4弾タイトルが「The Dark Pictures: The Devil in Me」になったとの情報あり。いずれにしても、本シリーズはまだ続きそうである。

本作「HOUSE OF ASHES | ハウス・オブ・アッシュ」は、第1弾、第2弾とは異なり、残念ながら日本語パッケージ版は発売されていない。ダウンロード版のみでの提供となる。

HOUSE OF ASHES | ハウス・オブ・アッシュ
プレイ時期:2022年10月
プレイ時間:約6時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:1周クリア後 
面白さ
シナリオ
グラフィック
音楽
リプレイ性
良いところ
安定のB級ホラー
圧倒的なビジュアル
ちょうどよいボリューム
気になるところ
周回プレイが面倒
多すぎるQTE
3.5