「ファイナルファンタジー7 リバース | Final Fantasy VII Rebirth」評価・レビュー

「ファイナルファンタジーVII リメイク」プロジェクトの第2弾として、2024年ようやく発売された「ファイナルファンタジー7 リバース」。私自身としても前作「リメイク」をクリアし、本作についても待ちに待ったタイトル。

私も、100時間以上をかけてサブクエスト含め遊びつくし、クリアまで到達できたので、満を持してレビュー。「FF7 リバース」の概要とともに、原作との違いやゲームの魅力について詳しく解説する。

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単なるリメイクを超越した物語

『FINAL FANTASY VII REBIRTH』 ファイナルトレーラー

本作は、リメイク1作目からの続きで、ミッドガルを脱出したクラウド一行の冒険を描く。物語は原作の中盤から始まり、広大なワールドマップや新たなキャラクターたちとの出会い、そして神羅カンパニーやセフィロスとの戦いが展開される。原作ファンにとって懐かしい場面が数多く登場しながらも、物語は単なるリメイクに留まらず、全く新しい展開や意外な演出が加わっている。

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ストーリー展開

本作は、原作「ファイナルファンタジーVII」の中盤以降を基にしているが、物語はリメイクプロジェクトならではの大胆なアプローチを見せる。

前作「FF7 リメイク」でも見られたように、リメイクシリーズは原作のストーリーラインに忠実でありつつも、新たな要素やキャラクター、展開が加わっている。オリジナルでは明かされなかった過去や運命に対するテーマが強調され、プレイヤーは新しいストーリー展開に引き込まれていく。クラウドの過去やセフィロスとの因縁がより詳細に描かれ、登場人物たちの心理描写が強化されている。


ゲームシステムの進化

バトルシステム

本作のバトルシステムは、前作「FF7 リメイク」のリアルタイムアクションとコマンド入力を融合させた戦闘スタイルをさらに進化させている。プレイヤーは各キャラクターを自由に切り替え、コンビネーション攻撃連携技を駆使することで、より戦略的なバトルを楽しめる。

成長システムでは、各キャラクターのスキルツリーが追加され、育成の自由度が向上している。また、マテリアシステムも健在であり、これを利用することで、キャラクターの戦闘スタイルを多様にカスタマイズすることができる。

成長システムとマテリア

オリジナルの「FFVII」でも好評だったマテリアシステムは、引き続き登場しているが、「FF7 リバース」ではさらに進化している。プレイヤーは新しいマテリアを合成し、独自の戦術を構築できる。また、キャラクターごとのスキルツリーも新たに導入され、キャラクターの成長に個性を持たせることが可能となっている。


ボリュームと探索要素

本作は、そのボリュームの多さが特徴であり、メインストーリーだけでも80〜100時間のプレイボリュームを誇る。さらに、サイドクエストやミニゲームなどの要素を含めると、総プレイ時間はさらに延びることが予想される。

広大なワールドマップ

本作では、原作ファン待望のワールドマップが復活しており、広大なフィールドを探索できる。オープンワールドの要素が強化され、自由にフィールドを駆け回ることが可能である。都市や村、ダンジョンが点在し、サブクエストや隠し要素も豊富に用意されているため、プレイヤーは本編以外にも多くの楽しみ方を見つけることができる。

各エリアは、リニアに繋がっているわけではないが、十分に広大なオープンエリアを楽しむことが可能だ。

サイドクエストの充実

本作には、メインストーリーだけでなく、さまざまなサイドクエストが用意されている。NPCとの会話やイベントを通じてサイドクエストが発生し、探索やバトルに挑戦することで追加報酬が得られる。これにより、プレイヤーは100時間以上に及ぶ充実したプレイ体験を楽しむことができる。

ミニゲーム

オリジナル版でも人気を博したゴールドソーサーでのミニゲームが大幅にリメイクされており、プレイヤーはバイクレースやスノーボードなど、さまざまなアクティビティを楽しむことができる。

これに加え、新しいミニゲームも登場しており、ゲーム全体にリフレッシュ要素が追加されている。ピアノ演奏やカードゲームといった多様なミニゲームは、メインストーリーの合間に楽しむことができ、プレイヤーにさらなるリプレイ性を提供する。


グラフィックとサウンド

本作は、PS5のパワフルなハードウェアを活かした美麗なグラフィックが特徴である。キャラクターのモデリングや風景の描写は細部までリアルに描かれており、原作の世界を現代的な技術で再現している。

PS5のパフォーマンスモードでプレイしたが、背景などで、やや画質がボヤけてしまう点は気になった。この辺りは、PS5 proの登場によって改善されることが期待される。

また、サウンドトラックも再編されており、原作の名曲がオーケストラアレンジで再び楽しめる。


気になるところ

原作からのストーリラインの変更

本作には多くの魅力があるが、いくつかの懸念点も指摘されている。まず、ストーリーラインの変化である。原作のファンにとっては、リメイクの方向性が原作から逸脱していると感じる部分があるかもしれない。これにより、原作のシナリオを重視するプレイヤーには賛否が分かれる可能性がある。

多すぎるボリューム

前述の通り、ゲームのボリュームが非常に多いため、カジュアルなプレイヤーにとってはプレイ時間の長さが負担に感じられるかもしれない。メインストーリーだけでなく、探索やサイドクエストに膨大な時間を要するため、時間の確保が必要となる。とりわけ、ミニゲームが数えきれないほど用意されており、そこが人によっては、テンポ感を削ぐ要因になるかもしれない。

次回作への期待と予想

本作「FF7 リバース」は、三部作のうちの第二部であり、次回作である三作目への期待は非常に高まっている。次回作では、原作のクライマックスであるセフィロスとの最終決戦や、エアリスに関する物語の重要な部分が描かれると予想されている。プレイヤーは、三作目での壮大な結末を待ち望んでおり、ストーリーの結末がどのように描かれるのかが最大の注目点である。

また、三作目では、さらなるバトルシステムの進化や、オープンワールド要素の拡張が期待される。特に、セフィロスとの最終決戦に向けた壮大なバトルシーンや、仲間たちとの絆が描かれるシーンがどのように表現されるかが大きな見どころとなるだろう。

まとめ:懐かしさと新しさが融合した究極のリメイク

本作は、原作のファンにとっては懐かしさを感じさせる一方で、全く新しい体験を提供するリメイク作品である。進化したバトルシステム、広大なワールドマップ、充実したミニゲームなど、さまざまな要素が詰め込まれており、プレイヤーを飽きさせない工夫が施されている。

特に、原作にはないストーリーの展開やキャラクター同士の関係性の深化が、新たな魅力として光っている。オリジナル「FFVII」を知っているプレイヤーにも、初めてプレイするプレイヤーにも、満足できるゲーム体験を提供する作品であると言える。

「FF7 リバース」は、リメイク作品としての完成度が非常に高く、2024年のRPG界を代表する一本になるであろう。

本作を100%楽しむためには、前作「リメイク」のプレイは必須!また、ザックスの半生を描いたスピンオフ作品「CRISIS CORE -FINAL FANTASY VII- REUNION」のプレイも推奨!

ファイナルファンタジー7 リバース
プレイ時期:2024年4月
プレイ時間:約100時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後
シナリオ
グラフィック
音楽
新規性
やり込み度
良いところ
惹き込まれる物語
想像以上に楽しいカードゲーム
膨大なサブクエスト
気になるところ
人によっては多すぎると感じるミニゲーム
若干ピンボケなグラフィック
4.3