「Death’s Door」評価・レビュー

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インディーゲームとして高い評価を得ている「Death’s Door」。魅力的なキービジュアルを見た時から、ぜひともプレイしたいと思っていたが、この度、クリアまで到達できたので、レビュー。

ダーク&コミカル名作アクションアドベンチャー

「Death’s Door」は、死神のカラスが主人公のアクションアドベンチャーゲームだ。カラスは、自分が刈り取った魂を盗まれたことで、死の扉と呼ばれる謎の世界に足を踏み入れる。

そこでは、寿命を超えて生き続ける怪物たちが暮らしており、カラスは彼らの巨大なソウルを狩ることになる。剣や弓矢、魔法などを使って敵と戦いながら、ダークでコミカルな物語を進めていく。マップには多彩な仕掛けがあり、新しい武器や能力を手に入れることで、探索範囲が広がっていく。ゲームバランスは難しすぎず簡単でもなく、手ごたえのあるアクションが楽しめる。

トゥーン調の可愛いビジュアル

本作は、全体的に落ち着いた色使いのトゥーン調のグラフィックで描かれており、絵本のような質感とネオンカラーのコントラストが美しく、ミニチュアのような雰囲気を醸している。全体的にしっとりとした曲調のBGMと相まって、ダークでコミカルなシナリオに非常にマッチした絵作りといってよいだろう。

程よい難易度の見下ろし型アクション

本作では、見下ろし型視点で、主人公のカラスを操作し、剣を振ったり、魔法を使って、敵を倒す。ゲームは序盤こそステータスが低いが、プレイを進めていく中で、新たな武器や集めた経験値(ソウル)を使って、能力の強化を図ることが出来る。

道中のザコ敵は、それほど強くはないが、途中の中ボスはなかなかの歯応えがあり、何度もゲームオーバを重ねるが、何度も挑戦したくなる中毒性を感じることが出来た。

本作もいわゆる「死にゲー」に属するところがあるが、死んでもほとんどペナルティはなく、少し手前でやり直し程度なので、アクションが苦手なユーザでも問題ない。

難易度も決して理不尽レベルではなく、非常に程よい難しさになっている点も好印象だ。

じっくり楽しめる探索要素

本作は、アクションだけでなく、「探索」要素にも非常に力が入っている。見下ろし型の各マップには、細部にわたってギミックが用意されており、ソウルや収集アイテムを探していく。

最初は進めなかった場所も、入手した能力を使うことで、新たな道や隠し通路などを発見し、探索範囲を広げていく楽しみがある。このあたりの作りは「メトロイドヴァニア」的なゲーム性も備えていると言ってよいだろう。

一方、賛否が出そうな点として、本作では「マップ」がないということだ。本作はエリアがとてつもなく広大というわけではないため、これは、おそらく制作者側が迷いながら寄り道を楽しんで欲しいという意図のもと、そのように判断を下したのだろうと思われるが、やはり迷子になることが多々あり、若干の不便さを感じた。

適度なボリューム

本作は、インディタイトルということもあり、ゲームボリュームは、10時間~15時間程度となっている。探索含め、隅々まで遊びつくそうとするともう少し時間を要するが、それでもクリア自体は、平均10時間程度で、非常に遊びやすい。

超大作の合間にこのようなキラリと光る楽しめるのも、インディタイトルの魅力であり、まさに本作はその役割を果たしている。

Death's Door
プレイ時期:2023年12月
プレイ時間:約15時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後 
シナリオ
グラフィック
音楽
新規性
やり込み度
良いところ
愛らしいビジュアル
中毒性の高いボス戦
隅々まで探したくなる探索要素
気になるところ
マップがないところ
4.1