「A Plague Tale: Requiem | プレイグテイル レクイエム」評価・レビュー

前作「プレイグテイル・イノセンス」をプレイし、主人公二人のその後の行方も気になっていたが、ついにその続編「レクイエム」をプレイ。クリアまで到達できたので、レビューする。

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美しくも刹那い兄弟の物語

A Plague Tale: Requiem – Launch Trailer

本作は、ステルスとサバイバル要素、そして重厚なストーリーが特徴の中世ヨーロッパを舞台にしたアクションアドベンチャーゲーム。前作に続き、姉弟のアミシアとユーゴが主人公で、ユーゴの持つ特殊な力「マキューラ」をめぐる激動のシナリオが展開される。前作以上に、人間ドラマの描写が力強く、ストーリー序盤からプレイヤーを引き込む力があり、続きが気になる内容になっている。

驚愕のビジュアル

前作以上に精細さを増したグラフィック

前作から一層美しく、高精細なグラフィックになっており、草花広がる美しい場面と、大量の腐敗した死体や死肉が散乱したグロテスクな場面が、山の天気のように切り替わっていく。その両面のコントラストが非常に恐ろしくも美しく仕上がっている。

単純にグラフィックが綺麗という次元ではなく、1つの風景としての見せ方が秀逸で、このあたりは、名作『The Last of Us』等にも通じるものがあると感じた。

前作からの正統進化

ゲームの戦略の幅を広げる成長要素

本作は、前作同様に、ストーリードリブンでチャプタークリア型になっており、ゲームとしては、ドラマティックなストーリーの合間に、ステルス・アクション、パズルが差し込まれていくスタイルだ。前作同様に、スリングを使った基本アクション、大量のねずみを巧く使った戦略のほか、錬金術によって生み出す技によって攻略していく。前作の敵AIは、いまいちであったが、本作はその辺りはより自然に改善されており、よって難易度も前作よりは高まっている印象を受けた。

一部、攻略方法や道筋が分かりづらい場面もあったが、適度な難易度と、オートセーブがこまめに入るので、そこまでストレスはかからず、緊張感と達成感のバランスが良い。どうしても、ステルスが苦手なプレイヤーのために、敵からの攻撃を無効化する「無敵モード」など、プレイしやすい設定も用意されている。

あと一歩なローカライズ

惜しい点は、ローカライズの部分だ。日本語は字幕のみとなるため、アクションプレイをしながら、会話を読み取るのがやや苦痛で、ここは出来れば日本語吹替えが欲しかったところだ。

また、翻訳自体は、問題ないのだが、字幕の改行が不自然なところが多く読みづらく、この点も惜しいポイントだ。

前作プレイを前提としたストーリ体験

プレイグテイル レクイエム

前作が未プレイの場合、ストーリーへの理解や登場人物への感情移入が難しいだろう。前作プレイは必須と言える。できれば、前作のダイジェスト等があれば、より良かった。

全体として、本作は、前作『プレイグ テイル -イノセンス-』からグラフィックやプレイの両面で、目に見える形で進化が見られ、前作のファンであれば、確実に楽しめるだろう。

是非とも、そのクライマックスを見届けてほしい。

A Plague Tale: Requiem
プレイ時期:2024年1月
プレイ時間:約25時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後
シナリオ
グラフィック
音楽
新規性
やり込み度
良いところ
驚異のビジュアル
前作より進化した戦闘
前作より増えたネズミ
気になるところ
惜しいローカライズ(字幕)
前作プレイ必須
4.1