2021年にリリースされたインディゲーム「Unpacking | アンパッキング」。ドット絵の可愛い見た目と、梱包された荷物をほどいて、部屋に並べていくといく一風変わった作品。この度、ようやく手に取ることが出来たので、本作の魅力について語る。
中毒性のあるゲーム性と想像膨らむストーリー
本作のゲームシステムは、実にユニークだ。部屋に届いた段ボールの梱包を次々と開封し、荷物を思い思いに部屋の棚や机などに並べていく。基本的には縛りはなく、自分のセンスや主人公を想像しながら、ポチポチとマウスで並べていく。この何でもない、一見つまらなそうなゲーム性が、なかなかの中毒性を備えている。マインクラフトの整地作業に近いのかもしれない。妙に並びや配置にこだわってしまったり、自分なら目覚まし時計はこのあたりかな、などと置きなおしみたり。
すべての荷物を並べきったら、次の引っ越し先にゲームは進む。そう、本作はとある主人公の引っ越しの部屋作りを楽しむゲームなのだ。ゲーム作中に主人公は登場しない。最初は性別すら分からないところから始まる。取り出した荷物の中身から、主人公がどんな性格でどんな夢を描いているのかを、追体験していく。引越しを重ねながら、主人公の人生も鮮やかに彩っていく。
引越しを繰り返す中でも、主人公が、少女時代から捨てることなく大切にしているアイテムがあるのも、物語を感じられてGOODである。
本作は、4~5時間のコンパクトな体験となっている。そのゲーム性から、マウスでのプレイが向いているだろう。
ドット絵で描かれているゆえに、一部のアイテムが一体何なのかわかりづらく、どこに置けばよいのか分かりにくいなど、プレイしている中で、多少気になった点はあるものの、コーヒでも片手に、疲れた日常の合間にゆるくプレイしてみることをおすすめする。
プレイ時間:約4時間
プラットフォーム:PC
レビュータイミング:クリア後