「ペルソナ4 ザ・ゴールデン リマスター」評価・レビュー

2012年にPlayStation Vita向けに発売されたJRPGの金字塔「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」。2023年1月、PS4などコンシューマ向けにリマスター版が満を持してリリース。

私自身、ペルソナ5で初めて本シリーズに触れ、いつかペルソナ4についても、 プレイしてみたいと思っていたので、今回のリマスター版の登場は嬉しい。

しかも1,980円というリーズナブルな価格というも好印象。ペルソナ5と比べてどうなのか、本作の魅力は何なのか、ようやくクリアまで到達したのでレビューする。

至高の王道ジュブナイルRPG

本作は、主人公が転校生として、叔父の家に居候しながら、新しい学校に転校してきたところから始まる。叔父家族や、学校生活の中で新たにできた仲間たちとの交流の中で、物語は描かれていく。

先の気になるストーリ展開

本作では田舎町が舞台

転校直後に起こる一連の奇妙な事件により、主人公たちは「影」と呼ばれる怪物が現れる異世界「マヨナカテレビ(TVの中)」に迷い込んでしまう。そこで、彼らは自分たちが「ペルソナ」と呼ばれる力を持っており、「影」と戦うことができることを知る。

主人公たちは、「マヨナカテレビ」に迷い込んだ人々を救うため、異世界での戦いを繰り広げながら、事件の真相を探っていく。物語は、主人公たちの日常生活や人間関係、そして事件の背後に潜む陰謀などが絡み合いながら、徐々に展開していく。

物語の展開は、一見すると日常的でありながら、徐々に暗示されていく怪奇的な要素が織り込まれているため、独特の魅力を持っている。

魅力と個性あふれる仲間たちとの時間

仲間との時間

仲間である同級生や後輩たちと、日々会話を繰り広げていく。当然主要キャラクターは、声優によって演じれており、いきいきとした会話の中で、まるで自身が高校生活にタイムトリップしたかのような没入感を味わうことができる。

ゲーム内にも季節があり、夏の海や花火大会、冬になるとスキー旅行など、かけがえのない仲間との青春の時間が流れていくのだ。ゲーム後半にもなると、やがて訪れる彼らとの別れに何とも切ない気持ちにさせられるほどであった。

おしゃれなBGMで魅せるバトルシステム

戦略性の高いバトルシステム

本作のバトルシステムは、ターン制のRPGである。プレイヤーは、主人公を含めた最大4人のパーティーメンバーを操作し、敵と戦うことになる。

ペルソナ5にも採用されているが、バトル中、敵の弱点を見極めた攻撃や、パーティーメンバーの組み合わせが重要な役割を果たす。敵の弱点を攻撃することで、大きなダメージを与えることができる。こうした戦略要素がバトルのテンポや没入度を高めることに貢献している。

ボス戦も、しっかりとレベリングと、効果的なスキルを組み合わせ、戦略的に進めないと容易には倒せないデザインになっており、本作の戦闘は非常に楽しい。

RPG好きも大満足のボリューム

ペルソナ5もそのゲームボリュームから、クリアに100時間程度の時間を要していたが、本作もそれに準ずる圧倒的なゲームボリュームを誇る。

エンディングに到達するだけでも、少なくとも70~80時間程度はかかるだろう。マルチエンディングが採用されており、真エンディングを見たり、やり込み要素までプレイしようとすると、2周以上の時間を要するため、優に100時間は超えるボリュームだ。

あまりのボリュームに気軽に遊べない側面もあるが、感動的なエンディングは一見の価値があり、ぜひとも未プレイの方には手に取ってほしい。

ペルソナ5との比較

私のように、先にペルソナ5をプレイし、その完成度の高さから、本作にも興味を持ったユーザも多いことだろう。やはりペルソナ5よりも数年前にリリースされていることから、リマスターとは言え、その違いについては気になるところだ。

ペルソナ4は、当然ながら、ペルソナ5よりも数年前の作品であることから、画面UI、操作性や演出面などで、一部ペルソナ5よりも見劣りする部分がある。むしろペルソナ5の完成度が高すぎるといった方がよいかもしれない。

しかし、現代においても、RPGとしてのアートを含めて、圧倒的な完成度・ボリュームからペルソナ5を楽しめた方には、間違いなく本作も楽しむことができる作品である。

実際、ペルソナ5よりもペルソナ4のほうが、印象に残ったというプレイヤーも多いといわれている。

何よりもペルソナ4の仲間たちとのかけがえのない時間を共有してほしい。

ペルソナ4 ザ・ゴールデン リマスター
プレイ時期:2023年3月
プレイ時間:約90時間
プラットフォーム:PS4 on PS5
レビュータイミング:クリア後
ストーリー
グラフィック
音楽
バトルシステム
リプレイ性
良いところ
唯一無二のジョグナイルストーリ
洗練された音楽とアート
気になるところ
ペルソナ5と比較して、やや不完全なUI周り
やや単調なダンジョンデザイン
4.1