「深世海 Into the Depths」評価・レビュー

深世海 Into the Depths

CAPCOMからリリースされたアドベンチャゲーム「深世海 Into the Depths」。 元々、本タイトルは、Apple Arcadeで2019年にリリースされた作品であるが、Nintendo Switchでもリリースされる形に。ここ数年、絶好調のCAPCOMの作品だけに期待値は高く、さらに2,000円程度で購入可能とあって、気になっていた人も多いのでは。私もその1人である。

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緊張感のある海底サバイバルゲーム

神秘的で個性あるアートワーク

深世海 Into the Depths™ [Nintendo Direct mini 2020.3.26]

この作品で最初に目につくのが、やはりその独特で神秘的なアートワークだろう。このゲームを手にとった方の多くは、もしかするとこのアートワーク、雰囲気に魅せられたのかもしれない。事実、文字や画面UIの細部までひとつひとつ丁寧にこだわったビジュアルは、雰囲気たっぷりであり、個人的には大好物な部類である。
世界観を大切にした本作では、記号や絵は登場するが、基本的にストーリの解説的なメッセージは皆無といってよい。ある程度、プレイヤの想像に委ねているのだろう。あまりにも説明がないので、どういう状況であるのかがわかりにくく、このあたりは好みが分かれるポイントだと思う。

王道の”資源管理”システム

ゲームシステムとしては、海中を酸素ボンベや武器の残量を管理しながら海の深部へと探索を進めていく、いわゆるサバイバル形式になっており、プレイヤは終始、その緊張感と探索へのワクワク感が楽しめる。

プレイを進めるにつれて、アイテムを手にし、そのアイテムを駆使して、次のエリアへと拡張していく。まさに、あの「バイオハザード」を創ったCAPCOMのDNAが脈々と感じられる作品でもある。

“雰囲気”に拘ったグラフィック&音楽

フレームレートや細部のテクスチャなどのグラフィック面については、Apple Arcade、つまりiOSでのリリースを前提としていたこともあり、昨今のAAAクラスの作品と比較すると、当然ながらややグレードダウンするが、本作の位置づけや価格を考えると十分な美しさを誇っていると思う。

一方、音楽については、そこまで印象に残る楽曲はなかったが、ゲーム冒頭でヘッドフォンを推奨する説明があるほど、その音響サウンドにこだわっているようだ。

適度なペース配分とボリューム

ゲームボリュームは、ゆっくりと探索をしながらプレイして10時間程度。難易度も適切であり、頻繁にリトライになることもない。サラリーマンである私の場合は、ちょうど良いプレイ時間であったが、人によってはもう少しボリュームがほしいと感じる人もいるかもしれない。

やや煩雑な操作性

操作性は、慣れればそこまで悪くはないものの、使用するボタンの種類が多いので、もう少し整理されていても良かったのではないかとも感じられた。海中での操作は独特の慣性が働くので、最初は思うように動かせずイライラするが、中盤くらいからは、コントローラと主人公の動きがマッチし、気持ちよく操作できるようになっているだろう。このゲームは、この操作性に慣れ始めた段階から、急速に面白くなってくる

まとめ

インディーズゲームの位置づけとして、ボリューム感や雰囲気、価格など、超大作ゲームの間にプレイするのに打ってつけのゲームであると思う。

最初は、操作感などやシステムを理解出来ない点があるかもしれないが、1時間もプレイすれば、このゲームの面白さに気づけるはず。積極的にプレイを推奨するわけではないが、間違いなくプレイして損はないゲームと言える。

また、本作は、新規IPということもあり、ぜひ今後PS4等、他のプラットフォームへの展開し、幅広いユーザの獲得を期待したい。

深世海 Into the Depths
深世海 INTO THE DEPTHS
プレイ時期:2020年4月
プレイ時間:約10時間
プラットフォーム:Nintendo Switch
レビュータイミング:クリア後
面白さ
グラフィック
サウンド
シナリオ
リプレイ性
良いところ
唯一無二のアートワーク
リーズナブル
ちょうど良いボリューム
気になるところ
環境の変化が乏しい
少々慣れが必要な操作性
3.4
良作