ついに、待望のPS5が全世界でリリースされた。私は、幸運にも、いや奇跡中の奇跡で、PS5を手に入れることが出来たため、その華々しいローンチタイトルの1つ『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』を早速プレイすることができた。PS5の威力はどれほどのものなのかも合わせてレビューしたい。
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前作からの王道進化!
本作は、2018年にPS4で発売された「Marvel’s Spider-Man(スパイダーマン)」の正統進化版の位置づけとなる。ストーリー自体も、一応前作とのつながりがあり、前作で脇役として登場したマイルスモラレスという青年がスパイダーマンとなり今回の主人公となる。サブシナリオなど、ちらほらと前作の名残があり、前作をプレイしていることが前提となっている。
必ずしも、前作を知らないと楽しめないわけではないが、100%楽しむためにも、前作をまずはプレイすることをお勧めしたい。余談だが、映画原作とのつながりは基本的にないため、原作を知っている必要はない。
本作を100%楽しむためにも、前作未プレイの方は、前作からプレイすることをお勧め!
PS5の凄まじさを全方位で体験可能
脅威の映像表現
さすがのPS5ローンチタイトルということもあって、PS5の性能を遺憾なくプレゼンスしている。特にPS5の売りの1つである映像表現には、感動させられる。
4Kを前提に映像表現を強化したモードと、フレームレートを重視したモードを選択することが可能だ。
特に、映像表現を強化したモードでは、「レイトレーシング」という技術が用いられており、ビルのガラスに反射した背景や、水たまりにその場の景色やキャラクターが映り込んでいるのである。光源の演出が圧倒的にリッチに仕上がっており、没入度が増す。ただしこのモードではフレームレートが30FPSと制限がかかる。
一方、フレームレートを重視したモードでは、60FPSと、ヌルヌルの動作が可能になっており、操作していて極めて気持ちよく、目が疲れにくい印象を受けた。その代わり、レイトレーシングなど、一部の映像強化表現は抑え目になっているということだ。
いずれのモードも、どちらが良い悪いということはなく、一度は両方のモードを試してPS5の凄まじい性能を体験するのが良いだろう。
実質ロード時間ゼロ
PS5発売前から、PS5は特殊なSSDが搭載されており、「ロード時間」がほとんど存在しないという触れ込みがあった。実際本作で、その威力がどれほどのものか体験してみたところ。ゼロとはいかないものの、1,2秒でゲームが再開されるという驚異的な処理速度を実現している。
PS4版のMarvel’s Spider-Man(スパイダーマン)では、主人公がやられた時や、ショートカットを利用した際など、少なくとも数十秒の待ち時間があったが、それらがほぼ完全に消失したといってよい。
これは、本当に革命的な体験で、ゲームの没入感がそがれることなく、極めてストレスフリーとなったと言える。
気になるポイント
やや物足りないボリューム
前述の通り本作は、PS4版からの続編となっているが、スパイダーマン2というよりは、スパイダーマン1.5のような位置づけの作品になっている。
実際私もクリアまでプレイしているが、本編としては実質5時間程度で終わってしまうほどのボリューム感となっている。多くの人が、「え、もうこれで終わり!?」という感覚を持ってしまうほど、あっさりとした作りとなっている。もっとも、開発元が発売前から、本作はボリュームは小さいと説明している。
アイテム収集やサブクエストなどやり込み要素を含めると、10時間以上は楽しめそうであるが、昨今の大ボリュームを期待してしまうと、やや物足りなさを感じてしまうので、要注意だ。
ゲームの遊びとしての新規性は薄い
本作は、前作同様スパイダーマンを操作し、映画のスパイダーマンになりきり、圧倒的に気持ち良い体験ができることが売りであり、その点においては、100点満点と言える。
しかし、これは前作の時点で達成していたので、PS5で映像表現が向上したとは言いつつも、新しい「遊び」という点では目新しさは感じなかった。
確かに、新しい能力や攻撃方法は用意されているものの、前作の延長線上に位置することから、その意味でもう少し遊びのバリエーションがあると良かったと感じた。
2020年9月に、本作の開発元Isomniac Gamesが、PS4版からPS5版へのセーブデータの移行は不可能と報告していたが、この度、「Marvel’s Spider-Man」PS4版からPS5版へのセーブデータ移行を後日可能にするとの方針転換があった模様。これにより、PS5本体を入手することが困難でも、先にPS4版で物語を進めておくことも可能!
プレイ時間:約6時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後