2020年、世界中が感染病の恐怖に陥ることを暗示していたかのように、昨年2019年に発売された本作は、まさに、14世紀のフランスを舞台に、感染病「ペスト」をテーマとしたホラー・アドベンチャーゲームである。おびただしい数の大量ネズミが所狭しと襲ってくる驚異的なビジュアルで、どんなゲームなのか個人的にも、発表当時から気になっていたが、今年ようやくプレイすることが出来た。
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AAA級レベルのグラフィック
私は、本作をPS4 Proでプレイする形となったが、緻密に描かれた背景や大量のネズミの表現、主人公たちの表情の豊かさ。改めてこのゲームのグラフィックの美しさに驚かされた。思わず、立ち止まって見とれてしまうシーンもあったほどだ。この手のゲームは、やはりグラフィックがリアルであればあるほど説得力が増すことから、その技術向上には感謝するばかりである。
王道のゲームシステム
本作は、驚異的ビジュアルとは裏腹に、画面のUI含めて、中身はあの「The Last of Us」の影響を強く受けたと思わされるアクションアドベンチャである。
ステルス要素、シューティング要素、クラフト要素、パズル要素、それらが絶妙なバランスで介在したゲームとなっている。5歳の幼い弟の手を引いて15歳の少女を操作するという様も、「The Last of Us」に似ている構成である。
従って、「The Last of Us」が好きなユーザであれば、間違いなく本作もすんなりとプレイできるスタイルになっている。
ストーリドリブン
本作は、様々なゲーム要素が含まれているが、基本的には、ストーリードリブンのチャプタ構成で、一本道のゲームシステムであり、シナリオを楽しみたいユーザには特におすすめできる作品である。
序盤のおどろおどろしい雰囲気から、後半オカルト的な流れになっていくシナリオは好みが分かれるかもしれないが、先が気になる展開となっている。
ネズミを使ったユニークなアイディア
本作では、キービジュアルになっているように大量のネズミが登場する。鳥肌が立つほどの数である。ゲーム序盤では、それらのネズミから如何に身を守っていくかがポイントになるが、序盤からはそのネズミを誘導し、敵を襲わせたりといった使い方ができる。パズルの仕掛けとしても、ネズミを活用する場面があり、このゲームならではというところは評価ポイントである。
頭の悪いAI
このゲームは、途中、敵とステルスを駆使しながら、進めていくことになるが、その敵のAIが正直言って”バカ”すぎるのである。ステルス系のゲームではよくある話ではあるが、せっかくの世界観が、”これはゲームなんだな”と没入感を削いでしまっているのは残念なポイントである。
まとめ
昨今は、プレイ時間が数十時間にも及ぶ超大作が多く、手軽に楽しめるゲームが少なくなっている気がしているが、こうしたシナリオ重視、ソロプレイに特化したゲームは個人的にも嬉しい限りである。本作を一言で言うなら「上質」。安定の品質で、決してプレイして損をすることはないだろう。
本作プレイ後は、続編『A Plague Tale: Requiem』も合わせてプレイすることをお勧めする。
プレイ時間:約13時間
プラットフォーム:PlayStation4 Pro
レビュータイミング:クリア後