「Life is Strange 2 | ライフ イズ ストレンジ2」評価・レビュー

『ライフ イズ ストレンジ2』は、DONTNOD Entertainmentが手掛けたアドベンチャーゲームであり、2018年に発売された。前作『ライフ イズ ストレンジ』の世界観を引き継ぎつつ、全く新しい主人公と物語が描かれている。

個人的にも、本シリーズの大ファンにも関わらず、本作だけ未プレイであったので、このほどプレイし、無事にクリアまで到達出来たのでレビューする。


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ライフ イズ ストレンジ シリーズについて

『ライフ イズ ストレンジ』シリーズは、プレイヤーの選択によって物語が変化するストーリー重視のアドベンチャーゲームとして知られている。シリーズの特徴は、心に訴えかけるストーリー、個性的なキャラクター、そして超自然的な力と日常の問題が共存する世界観にある。

初代『ライフ イズ ストレンジ』では、時間を巻き戻す力を手に入れた女子高生マックスが、親友クロエと共に謎を解きながら人生の選択を迫られる物語が描かれた。そして前日譚となる『ライフ イズ ストレンジ:ビフォア ザ ストーム』が続き、ファンから高い評価を受けている。

その後、本作『ライフ イズ ストレンジ2』では、舞台を一新し、兄弟の逃避行が描かれる。シリーズに共通する選択と結果の重みをさらに強化し、より感情的なストーリーテリングが展開されるのが特徴だ。


兄弟の旅路と絆の物語

ライフ イズ ストレンジ 2: 日本発売決定!アナウンスメントトレーラー

物語の主人公は、16歳の兄ショーンと9歳の弟ダニエルである。舞台はアメリカ北西部のシアトル。とある事件をきっかけに、ダニエルが超能力を覚醒させ、兄弟は家を捨てて逃亡することになる。二人はメキシコにある父親の故郷「プエルト・ロボス」を目指して旅をするが、その道中には数々の困難と試練が待ち受けている。

『ライフ イズ ストレンジ2』では、兄弟の絆と成長が物語の軸となっており、プレイヤーは兄ショーンとして、ダニエルの育成や行動に影響を与える。道中の選択によって、ダニエルの性格や価値観が変化し、物語の結末にも影響を及ぼす。


選択と結果が生み出す緊張感

本作のゲームプレイは、従来のシリーズと同様にプレイヤーの選択がストーリーに影響を与える点が特徴だ。選択肢は時にプレイヤーを葛藤させるものであり、正解は存在しない。その場の決断が後に重大な結果をもたらすことも多く、ショーンとダニエルの関係や旅の進行に大きく関わってくる。

特に重要なのは、ダニエルへの影響である。プレイヤーは兄としてダニエルにどのように振る舞うべきかを常に考えさせられる。例えば、盗みを働くか、正直に振る舞うかといった選択が、ダニエルの道徳観や行動に影響を与える。このシステムが、プレイヤーにリアルな兄弟関係を体験させ、責任感を感じさせる要因となっている。

また、旅の過程で出会う人々との交流も物語の鍵である。彼らとの会話や関係性が兄弟の運命を左右することもあり、一つ一つの行動が重みを持つ。


社会問題と人間ドラマ

本作は、家族愛や成長という普遍的なテーマを描きながらも、社会問題にも深く切り込んでいる。作中では、移民問題や人種差別、貧困といった現実のアメリカ社会に根付く問題がリアルに描写されており、プレイヤーに現実世界の不条理を突きつける。

ショーンとダニエルは常に「他者から見た危険な存在」として扱われることがあり、その不安や孤独をプレイヤーも共に体験する。こうしたテーマが、本作を単なるアドベンチャーゲームではなく、社会的メッセージ性を持つ作品に昇華させている。


旅路の雰囲気を彩るビジュアルとサウンド

グラフィックは、前作同様にアート風の美しいビジュアルスタイルを採用している。自然豊かな風景や旅先の細かなディテールが、ショーンとダニエルの逃避行にリアリティと切なさを加えている。

音楽もまた、シリーズの大きな魅力の一つである。本作では、アコースティックなサウンドが多く採用されており、静かで穏やかな曲調が旅の孤独感や温かさを絶妙に表現している。心に残るシーンでは音楽が際立ち、プレイヤーの感情を揺さぶる。

気になるポイント:前作よりやや希薄化したゲーム性

個人的にはシナリオ含め、非常に心に残る一作である印象だが、前作と比較するとゲーム性という点では、やや希薄になっており、その点については、少し気になる人もいるかもしれない。とはいえ、シナリオの没入感は前作以上にも深みを増しており、こうした欠点も気にならなかった。

活用の場面の少ないギミック

弟ダニエルの超能力は物語の核となる要素だが、ゲームプレイにおける活用シーンは控えめである。プレイヤーが超能力を直接操作することはなく、ストーリーの演出に使われることがほとんどだ。そのため、前作の「時間巻き戻し」ほどのインパクトは薄く、期待していたプレイヤーにとっては少し拍子抜けする部分でもある。

分かりづらい選択の影響

プレイヤーの選択が物語に影響を与えるシステムは本作の魅力ではあるものの、一部の選択肢がどのように結果に影響したのか分かりづらい場面がある。また、結末に向かうフローが大きく分岐することは少なく、選択肢による「結果の大きな変化」を期待していたプレイヤーにとってはやや肩透かしを感じる部分もある。


まとめ:シリーズの新たな挑戦

ライフ イズ ストレンジ2』は、前作のファンにとっては異色の作品に見えるかもしれない。しかし、兄弟の絆や成長を描く物語は、前作以上に感情移入しやすく、心に深く訴えかける内容となっている。

プレイヤーの選択が弟ダニエルに与える影響というシステムは、単なる物語進行ではなく、プレイヤー自身が「兄」としてどう行動すべきかを問い続ける体験を提供する。社会問題や人間関係といったテーマも巧みに織り込まれており、シリーズの新たな一歩を示す作品である。

前作のタイムトラベル要素とは異なる形で、よりリアルでシビアな人間ドラマを楽しめる本作は、シリーズファンのみならず、多くのプレイヤーに強くおすすめしたい一本である。

本作は、前作との関連はないため、特に前作のプレイは必須ではない。ただ、物語後半に前作との関連を示唆するちょっと要素が用意されている。

「Life is Strange: True Colors|ライフイズストレンジ トゥルー カラーズ」評価・レビュー

Life is Strange 2
プレイ時期:2024年12月
プレイ時間:約15時間
プラットフォーム:PS4 on PS5
レビュータイミング:クリア後
シナリオ
グラフィック
音楽
新規性
やり込み度
良いところ
止め時を失うシナリオ
気になるところ
前作よりギミックが活かされていない
選択肢の変化が分かりづらい
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