前作「GRIS」のプレイから数年。「GRIS」のDNAを脈々と引き継いだ魅力的なアートワークに惹かれ、発売を心待ちにしていた最新作「Neva」。
2024年10月、無事にリリースされ、私も早速プレイし、クリアまで到達出来たのでレビューする。
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感情を揺さぶるアートの旅路
Nomada Studioが手掛けたインディータイトル『Neva』は、前作『GRIS』の成功を受けて作られた美しい2Dプラットフォーマーであり、感情に訴えるストーリーテリングが大きな特徴となっている。
本作は、手描き風のビジュアルと独特の世界観で、悲しみと再生の物語を描いている。プレイヤーは、主人公のアルバと彼女の相棒である不思議なオオカミとの旅を通じて、荒廃した世界を冒険する。どの画面を切り取っても、文字通り、一枚の水彩画アートのようなクオリティなのは、前作『GRIS』からの系譜である。
ストーリーと感情の共鳴
『Neva』の物語は、前作『GRIS』のように言葉を最小限に抑え、感情をビジュアルと音楽で伝えることに重きを置いている。プレイヤーは、環境が徐々に崩壊していく中で、喪失と成長をテーマにした物語を進めていく。アルバがオオカミと共に絆を深めていく様子は、ペットを持つプレイヤーには特に感動的な体験となるだろう。
Nomada Studioは、前作で取り組んだ悲しみのプロセスというテーマを再び扱いながらも、今回はそれを生と死のサイクルに焦点を当てた物語に展開させている。
『GRIS』では内面的な葛藤が描かれていたが、『NEVA』では主人公と環境との相互作用が物語の中心となっており、その点で異なるアプローチが取られている。
ゲームプレイと進化
『Neva』は、前作に比べてゲームプレイの深みが大幅に増している。プラットフォーミング要素は、空中でのダッシュやダブルジャンプなどが導入され、動きに自由度が増えた。また、敵との戦闘システムも新たに追加されており、敵を倒して回復するという攻撃に特化した戦闘が取り入れられている
戦闘はシンプルだが、その分直感的で楽しく、ボス戦では特に視覚的な演出が見事に融合している。
もしかすると、このゲームに戦闘アクションを取り入れること自体は、GRISファンとしては、期待するところではなかったかもしれないが、アクション自体の難易度は控えめで、死ぬことなく物語を楽しめるモードもあるため、アクションが苦手なプレイヤーでも安心してプレイできる設計となっている。
アクションゲームとしての遊びのバリエーションはオーソドックスで控えめ
『GRIS』との比較
『GRIS』はその芸術的なアプローチと静かな語り口で多くの評価を得た作品であり、プレイヤーに深い感情の余韻を残すゲームとして高く評価された。『NEVA』は、同じスタジオの手による作品でありながら、より多様なゲームプレイを提供している点で異なる。
『GRIS』では戦闘要素は存在せず、プレイヤーは主に美しい環境を探索し、パズルを解いていく形だったが、『NEVA』は戦闘を取り入れることで、よりダイナミックな体験を実現している。
とはいえ、どちらの作品もプレイヤーに強い感情の共鳴を与えることを重視しており、ストーリーやビジュアルの美しさがゲーム全体の魅力を支えている。
まとめ
『NEVA』は、Nomada Studioが再び手掛けた感情的で美しい体験を提供するタイトルであり、前作『GRIS』を楽しんだプレイヤーにとっても新たな魅力が詰まっている。
プラットフォーミングと戦闘がバランスよく組み合わさり、ストーリーも感情を揺さぶるものになっているため、インディーゲームとして高く評価されるだろう。
前作『GRIS』同様に、ボリュームもクリアまで3~4時間程度となっており、大作ゲームの合間にプレイするのもお勧め!
【PS5/PS4/Nintendo Switch】10時間程度でクリア可能!サクッと遊べるおすすめゲームプレイ時間:約4時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後