1996年、スーパーファミコン向けソフトとして、任天堂とスクウェア(現:スクウェア・エニックス)が共同で制作し、リリースした伝説の傑作が2023年Nintendo Switch用ソフトとして、完全リメイされた。当時のオリジナルは、あいにくプレイできておらず、このほど、本リメイク作にて、ようやくクリアまで到達できたのでレビューする。
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現代に蘇る完璧なリメイクRPG
本作は、オリジナルの発売から、約30年近い月日を経てのリメイク作となる。リメイクの趣旨としては、グラフィックの刷新のほか、UI周りの遊びやすさの改善がメインとなっており、全体的なシナリオや表現等は、基本的にはオリジナルそのままが踏襲されている。
当時は任天堂とスクウェアによる共同開発であったが、そうした企業の垣根を超え、また時代の変遷をも超越し、現在に本作をよみがえらせてくれた点は、任天堂ファンならずとも歓喜である。
誰もが楽しめる王道ストーリー
ストーリーは、マリオ作品の定番になっているが、ピーチ姫がクッパにさらわれたところから始まるが、突如、空から降ってきた巨大な剣カリバーによって、ピーチ姫とクッパがどこかへ飛ばされてしまう。マリオは、カリバーの主人である武器世界の王カジオーの野望を阻止するため、カエル仙人に育てられた綿雲の少年マロや、星からやってきたヒーロー人形ジーノ、さらわれたクッパの部下たちなど、個性的な仲間たちと協力して、マリオワールドに降ってきた7つの星を集める冒険に出ることとなる。ユーモアやファンサービスに満ちた作品になっており、マリオファンならずとも、その可愛らしいコミカルなキャラクターや世界観に、どっぷりとはまることが出来る。
アクション要素を取り込んだバトルシステム
本作の戦闘システムは、ターン制のコマンドバトルが採用されている。味方は3人まで選んで戦闘に参加することとなるが、各キャラクターは、通常攻撃、スペシャル技、アイテム、防御や逃走などのコマンドを選択する、現代としては、クラシカルなコマンド式ターン制バトルだ。
しかし、このゲームの特徴的なシステムとして、アクションコマンドがあり、攻撃や防御のタイミングでボタンを押すことで、ダメージを増減させたり、状態異常を回避したりすることができる。また、本リメイク版では、アクションコマンドを成功させると協力技ゲージが溜まり、3人の協力技を発動できるようになったり、アクションコマンドを連続で成功させるとチェインが発生し、ステータスが上昇するという新システムも追加されている。
このような単なるコマンドバトルに、アクション要素を追加したことで、単調さを回避し、一気に遊びの幅・深みが増している。実際に、本作は、その後のいわゆるJRPGのみならず、さまざまなゲームに影響を与えている。
現代人こそ遊ぶべき傑作
本作は、ミニゲームや隠し要素、スクウェアのFFを思わせる裏ボス等、やり込み要素もあるものの、RPGながら、本編クリアまで15時間~20時間と非常にコンパクトなボリュームに仕上がっている。
昨今の超大作RPGが好きなプレイヤーにとっては、ボリューム不足という評価になる可能性もあるが、なかなかゲームに纏まった時間を取りづらい社会人などにとっては、本作は、最高のエンターテイメントになると感じた。
プレイ時間:約15時間
プラットフォーム:Nintendo Switch
レビュータイミング:クリア後