「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」は、日本ファルコムが開発したアクションRPGであり、2016年に初めてリリースされ、その後様々なプラットフォームに移植された。
実は、本シリーズは初めてのプレイとなるが、本作は際立って評価が高く、個人的にも興味があったので、早速プレイし、クリアまで到達したので、レビューする。
目次 非表示
無人島の謎と幻想の冒険譚
シリーズ8作目となる本作は、アドル・クリスティンの新たな冒険を描くと同時に、シリーズ独自の高速アクションと探索要素が更に進化している。プレイヤーは、壮大な無人島「セイレン島」を舞台に、二重構造の物語とスリリングな戦闘を楽しむことができる。
物語は、主人公アドル・クリスティンが乗船していた客船「ロンバルディア号」が難破し、無人島「セイレン島」に漂着するところから始まる。アドルは生存者を探しながら、この謎の島を探索し、古代文明の遺跡や未知の生物「古代種」と遭遇する。物語は、単に脱出を目指すだけでなく、島に隠された秘密を解き明かす冒険でもある。
もう一方で、アドルは夢の中で謎の少女「ダーナ」の視点を追体験することになる。この二つの物語が交互に進行し、やがて絡み合って一つの大きな真実に迫る。この二重構造のストーリーが、本作の物語に奥行きを与え、プレイヤーを強く引き込む要因となっている。
アクションとゲームシステム
「イースVIII」の戦闘は、シリーズ伝統のスピーディーなアクションバトルを引き継ぎながら、さらなる進化を遂げている。アドルだけでなく、各仲間キャラクターもリアルタイムで操作でき、それぞれ異なる属性やスキルを駆使して敵と戦うことが求められる。キャラクターの切り替えも瞬時に行えるため、スムーズなチームプレイが可能だ。
戦闘はとにかくサクサクとした操作性とともに、抜群の爽快感がある。
特に、敵の攻撃をタイミング良く回避することで発動する「フラッシュムーブ」や、「フラッシュガード」によって無敵状態を作り出すシステムが、戦闘に戦略性をもたらしている。これにより、ボス戦や強敵とのバトルがより緊張感のあるものとなり、プレイヤーの技量が試される場面が多くなる。
拠点「漂流村」の役割と遊び要素
本作の冒険のもう一つの重要な要素は、拠点「漂流村」の存在である。アドルは島内で生存者を救出し、彼らをこの拠点に集めていく。村は生存者の数が増えるごとに発展し、新たな設備や機能が開放され、プレイヤーの冒険をサポートする拠点となっていく。
1. 村の発展と施設の強化
救助した生存者たちにより、漂流村には鍛冶屋やクラフトステーションなどの施設が建設され、素材を使って装備を強化したり、アイテムを作成したりできる。これにより、プレイヤーは冒険を進めるごとに装備を整え、より強力な武器や防具を手に入れることができる。
2. 防衛戦(迎撃戦)
島に生息する古代種の襲撃イベント「迎撃戦」も定期的に発生する。生存者たちと協力して村を守るこの防衛戦では、防御拠点を設置し、プレイヤー自身が敵を撃退するアクションが求められる。ちょっとしたタワーディフェンス的な要素だ。この迎撃戦に成功すると、村がさらに強化され、プレイヤーには貴重な報酬が与えられる。
3. サブクエストとキャラクターの交流
漂流村では、生存者たちとの交流を通じて新たなサブクエストが発生する。各キャラクターには独自の背景や個性があり、彼らの依頼をこなすことで物語が深まり、プレイヤーとキャラクターの絆が強まる。これにより、ゲームの世界観がさらに広がる。
グラフィックとサウンド
本作のグラフィックは、色彩豊かで美しいビジュアルが特徴的であり、無人島「セイレン島」の広大な自然や、神秘的な遺跡の細部まで描かれている。また、キャラクターデザインも鮮やかで、アニメ調のスタイルが冒険の躍動感を引き立てている。とはいえ、元々本作はPS Vitaでリリースされた作品であり、近代的なゲームと比較するとグラフィック敵には見劣りするところはある。
音楽面では、ファルコムサウンドチームの力作であり、アップテンポで躍動感あふれるバトル曲から、感動的なメロディーまで幅広く用意されている。特に、フィールドやボス戦で流れるBGMはプレイヤーのテンションを一層高め、物語を盛り上げている。
まとめ
「イースVIII -Lacrimosa of DANA-」は、スピーディーで爽快なアクション、拠点「漂流村」を拠点とした成長要素、そして魅力的なキャラクターと二重構造の物語が融合した、非常に完成度の高いアクションRPGである。
探索と戦闘のバランス、キャラクター同士の絆が物語を彩り、長時間プレイしても飽きのこない工夫が随所に施されている。王道JRPGの代表作の1つであり、シリーズファンはもちろんのこと、新規プレイヤーにも強くおすすめできる作品である。
プレイ時間:約40時間
プラットフォーム:PS4 on PS5
レビュータイミング:クリア後