『龍が如く8 外伝 Pirates in Hawaii』(以下、『龍が如く8 外伝』)は、龍が如くシリーズの最新スピンオフ作品として2025年2月21日に発売された。シリーズ屈指の人気キャラクター、真島吾朗を単独主人公に据え、ハワイを舞台に海賊テーマを大胆に取り入れた異色作である。
本シリーズの大ファンである私も早速プレイしクリアまで到達したのでレビューする。
記憶喪失の真島が海賊に転身
物語は『龍が如く8』の半年後から始まる。真島吾朗が孤島の砂浜に打ち上げられ、記憶を失った状態で目覚めるという衝撃的な展開だ。島の少年ノアに助けられたことをきっかけに、真島は自分の過去を取り戻すため、そしてノアの夢を叶えるために“ゴロー海賊団”を結成。
大海原を舞台に、無法者の楽園「マッドランティス」を中心とした財宝争奪戦に身を投じていく。シリーズの正史に組み込まれつつも、前作の知識がなくても楽しめる設計が施されており、新規プレイヤーにも門戸を開いている点は評価できる。
ストーリー自体はシリーズらしい重厚さを持ちつつ、海賊というテーマゆえの荒唐無稽さが際立つ。中盤以降は真島らしい狂気と熱さが全開となり、特に終盤の展開は「らしいな」とニヤリとさせられるものがある。ただし、外伝という位置づけのせいか、全体のボリュームは控えめで、ナンバリングタイトルほどの深みには届かない印象だ。
アクションと海戦の融合

本作の最大の特徴は、従来のアクションに加えて導入された海戦要素だ。真島は「狂犬」と「パイレーツ」の2つのバトルスタイルを切り替えながら戦う。狂犬スタイルはシリーズおなじみのスピード感ある近接戦闘を、パイレーツスタイルは剣や銃を駆使した海賊らしい戦闘を楽しめる。特に分身や召喚といった派手な演出は、アクション好きにはたまらないだろう。ただ、ヒートアクションの出しにくさやバリエーションの少なさは気になり、過去作と比べると戦闘の爽快感がやや薄いと感じる場面もある。

海戦は船を操作して敵船と砲撃戦を繰り広げるスタイルで、位置取りやタイミングが勝敗を分ける。船のカスタマイズや船員の配置といったやり込み要素も用意されており、海賊気分を味わえるのは間違いない。しかし、船の操作性がやや粗削りで、移動のテンポが悪いと感じる部分もある。特に本編中に強化上限に達してしまう点は、やり込み派には物足りなさを残すだろう。
やり込み要素とミニゲーム:豊富だが新鮮味に欠ける部分も

サブストーリー、財宝図鑑など、外伝とは思えないほどのボリュームが詰まっている。仲間集めや船員のレベル上げ、海賊版闘技場「パイレーツ・コロシアム」など、シリーズらしい遊び心は健在だ。ハワイのマップは『龍が如く8』から引き継がれており、既視感はあるものの、真島視点での新たな会話が楽しさを補完している。
また、ロバート秋山扮するマサルの、ミナト区系女子のサブストーリーは実写映像によるコンテンツも用意されており、本作に一味違うスパイスを添えている。

ただし、ミニゲームの一部は過去作の焼き直し感が否めない。例えば「海賊版バッティングセンター」や「パイレーツ・コロシアム」は、新要素を加えつつも根本的な新鮮味には欠ける。グラフィックや演出は圧巻だが、「外伝だからこれくらいでいいか」という妥協も垣間見える。
まとめ:真島ファンなら必プレイ、外伝らしい軽快さ

『龍が如く8 外伝』は、真島吾朗の魅力を存分に味わえる作品だ。記憶喪失という設定を活かしつつ、彼の狂犬っぷりと人間味がしっかりと描かれている。アクションと海戦の融合は挑戦的で、ハワイの海を舞台にした冒険はシリーズに新たな風を吹き込む。一方で、操作性やボリュームの面で粗さがあり、ナンバリング級の満足感を求めるプレイヤーには物足りないかもしれない。
真島ファンなら間違いなく楽しめるし、シリーズ未経験者でも気軽に手を出しやすい。馬鹿馬鹿しさすら魅力に変える龍が如くらしさが詰まった良作である。外伝らしい軽快な一作として楽しむのが正解だろう。
本作のプレイ前に、本編にあたる「龍が如く8」をプレイしておくことで、一層本作への理解が深まるだろう!

プレイ時間:約25時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後