海外のスタジオが作ったとは思えない、愛くるしいレトロJRPG感満載の「Sea of Stars」。カナダのインディーデベロッパーSabotage Studioによって開発された、クラシックなターン制RPGを現代風にアレンジした作品。
トレーラー登場時から、話題を集めていた本作。私もリリース当初にすぐさまプレイし、クリアまで到達することが出来たのでレビュー。
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JRPGへのオマージュに満ちた傑作
1990年代の名作RPG、特に「スーパーマリオRPG」に影響を受けた本作は、シンプルながらも戦略的なゲームデザインと美しいビジュアルが特徴で、レトロRPGファンから新規プレイヤーまで幅広く楽しめるタイトルとなっている。
物語とキャラクター
本作の物語は、光と闇の力を司る「太陽の子」と「月の子」を主人公に、邪悪な錬金術師とその配下のモンスターたちを倒す冒険を描いている。壮大な冒険の舞台となるのは、精緻なドット絵で描かれたファンタジー世界だ。プレイヤーは、豊富なサイドクエストや探索要素を楽しみつつ、古代の魔法や強力な武器を使いこなして物語を進めていく。
JRPGや王道の冒険ファンタジーが好きな方にはすんなりと物語に没入出来るだろう。
戦闘システムと戦略性
戦闘システムは、「スーパーマリオRPG」ファンに馴染み深いアクションコマンドを踏襲しているが、さらに洗練された要素が加わっている。例えば、各キャラクターは独自のスキルや連携技を持ち、プレイヤーはそれらを駆使して戦略的にバトルを展開する。敵の特定の行動パターンに合わせてスキルを使用するなど、瞬時の判断が求められる要素があり、ターン制バトルが持つ受け身なプレイスタイルに、没入感と緊張感を与えている。
また、ゲームの進行に応じてプレイヤーのスキルやアイテムが強化され、バトルにおける選択肢が増える点も評価されている。こうした要素は、ただのノスタルジックなRPG体験に留まらず、現代のゲームデザインとして非常に完成度が高い。
戦闘システムは、「スーパーマリオRPG」や「クロノトリガー」の影響を色濃く受けている。
ビジュアルとサウンド
「Sea of Stars」のビジュアルは、ピクセルアートの美しさが際立っている。鮮やかな色彩で描かれた世界は、時間の流れや天候の変化が細かく表現されており、プレイヤーにダイナミックな没入感を提供する。特に、昼と夜の切り替えや、雨が降るシーンなどは、非常にリアルかつ幻想的だ。
音楽面でも、レトロなゲームファンにとって嬉しい要素がある。「クロノ・トリガー」や「クロノ・クロス」で知られる作曲家、光田康典氏が参加しており、感動的かつノスタルジックなサウンドトラックがゲーム全体を彩る。プレイヤーは音楽を通じて、物語の重厚さやキャラクターの心情をより深く感じ取ることができる。
まとめ
「Sea of Stars」は、懐かしいレトロRPGの雰囲気を持ちながらも、現代的なアプローチを取り入れた完成度の高い作品である。特に「スーパーマリオRPG」のようなターン制バトルにアクション要素を取り入れたデザインは、古き良きRPGを彷彿とさせつつも、戦略的でスピード感のある戦闘を実現している。
グラフィック、サウンド、そしてゲームデザインのすべてがバランスよく調和しており、古き良きRPGを愛するプレイヤーから、これまでターン制RPGに触れてこなかったプレイヤーまで、幅広く楽しめる作品となっている。
本作は、レトロゲームファンや新しいRPG体験を求める人々にとって、間違いなく手に取る価値があるタイトルである。
また、公式からも、2025年春に、追加DLCのリリースをアナウンスしており、こちらも非常に楽しみだ。
プレイ時間:約35時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後