デンマークのPlaydeadというゲームスタジオが開発し独創的かつ幻想的な世界観と、驚異的な完成度の2Dアクションゲームで有名になった「LIMBO」「INSIDE」。両作品とも、横スクロールアクションゲームでいわゆる「プラットフォーム・ゲーム」や「プラットフォーマー 」とも呼ばれるゲームジャンルに属します。
「プラットフォーム・ゲーム」「プラットフォーマー 」とは、ゲームジャンルの一つ。ジャンプやダッシュを駆使してプラットフォーム(台、足場)を飛び移りながら進んでいくタイプのゲーム。
プラットフォーム・ゲームの中には、「スーパーマリオブラザーズ」や「ロックマン」なども入りますが、ここではとりわけ、「LIMBO」「INSIDE」の作品のようにリアルなグラフィックと物理演算、そして雰囲気抜群で、質感の高い雰囲気を醸す類似作品をいくつかご紹介したいと思います。
[toc]「LIMBO」「INSIDE」を知らない方のために「LIMBO」「INSIDE」含めて6作品ご紹介。
LIMBO
本作は、『LIMBO』という謎の異世界へと足を踏み入れてしまった少年が、離れ離れとなった妹を探すため、すべてが影で描かれた独特の異世界の中を進んでいく横スクロールアクションゲーム。特にこのゲームは全編“モノトーングラフィック”という見た目が非常に個性的で、かわいらしい主人公の雰囲気とは裏腹に割と残虐な“死の描写”も強烈。ゲームとしては、途中パズルを解いたり、敵と対峙しつつ進んでいくオーソドックスなシステムながら、その美しいアートや多くを語らないシナリオの展開を含めて、絶対にプレイしておきたい名作中の名作。
INSIDE
LIMBOから6年。LIMBOのDNAをしっかりと引き継いだ形で「INSIDE」という作品がリリースされました。LIMBOよりは、やや色彩が増えたものの、本作でも明暗の効いたグラフィックの中、光の演出や水の質感などの表現がさらにパワーアップ。もちろん本作もストーリーの説明どころかセリフやテキストが一切なく、物語の解釈はプレイヤーに委ねられています。
大枠のシナリオは、主人公の少年が侵入しようとしている研究施設で何らかの残酷なプロジェクトがおこなれており、その謎を解き明かしていくというもの。
LIMBOから正統進化した本作も、ゲーム史に残る名作と言ってよいでしょう。こちらも絶対にプレイして欲しい作品。
LIMBO/INSIDEは、国内では、パッケージ版は発売されていない模様です。両作品とも、ゲームの特性上、ほとんど言語の壁はないため、どうしてもパッケージ版が欲しい方は、両作品がセットになった海外版もおすすめです。
PLANET OF LANA | プラネット・オブ・ラーナ
INSIDE、LIMBO好きの方には、2023年にリリースされた「PLANET OF LANA」も超おすすめです。INSIDE、LIMBOとは異なり、まるでジブリアニメのような色彩豊かで、高品質な背景画と繊細で美しいBGMの中、少女とその相棒で、謎の機械生命体からその仲間を救う物語。横スクロールアクションと、途中ステルスやパズルギミックをこなしながら進めていく。
INSIDE、LIMBOと同様に、テキストやナレーション等は一切なく、プレイヤーの考察を余地が残っている点も本作の魅力。
クリアまでのプレイ時間も3~4時間程度なコンパクトで、心地よいボリューム。このジャンルの中でも、かなり高品質に仕上がっており、ぜひともプレイして欲しい一作。
PLANET OF LANAは、PS5、PS4、NintendoSwitch、Xbox、PCでプレイ可能です。
Unravel / Unravel Two
「Unravel」シリーズは、1本の毛糸からできた小さな生き物ヤーニーが主人公のパズルプラットフォーマーゲームです。
「LIMBO」「INSIDE」の陰鬱な雰囲気も最高に素晴らしいのですが、「Unravel」シリーズでは、実写かと見まごうほどの圧倒的にリアルに美しく再現された自然環境の演出が魅力。「LIMBO」「INSIDE」同様、インタフェースが一切存在せず、ゲーム上で起こっている事象もプレイヤーの解釈に委ねられる部分が多いのも特徴。
主人公ヤーニーは、毛糸の玉から生まれた小さなキャラクターということで、ゲームシステムとしても毛糸を使った「ワイヤーアクション」がポイントになっており、自分の毛糸の先端を伸ばしては、ステージ内のフックや釘に毛糸を引っかけたり,あるときは振り子のように,またあるときは命綱のようにして先へ先へと進んでいくスタイル。
「LIMBO」「INSIDE」系とはまた趣きは違うものの、質感の高い「プラットフォーム・ゲーム」としておすすめしたいシリーズです。
Unravel 2では、青いヤーニーも操ることができ、ローカル協力モードやシングルプレイモードでプレイ可能です。
Typoman: Revised (タイポマン)
「LIMBO」「INSIDE」系ではないというお声をいただくかもしれませんが、「Typoman: Revised」も非常にユニークかつ、品質の高い「プラットフォーム・ゲーム」と感じたのでご紹介。
本作の「見た目」も、「LIMBO」や「INSIDE」の雰囲気を感じるところがあると思いますが、一番の特徴は、ゲームタイトルの通り、主人公が「文字」でできており、「言葉」をテーマにしたアクション・アドベンチャーです。主人公が文字を操る能力を駆使して様々なギミックに立ち向かっていきます。途中、文字を組み合わせることでパズルを解いていく場面がありますが、その答えも1つではなく、非常に機知に富んでおり、様々なバリエーションが用意されています。解き進めて行くほどに難度が上がっていくものの、中学生レベルの単語の知識があれば問題なさそうですね。
ワードパズルと2Dアクションを巧みに融合したプラットフォーム・ゲームとして本作もぜひプレイしてもらいたい作品です。
Typomanは、PC、PS4のほか、Nintendo Switch用としても配信されていますが、Nintendo Switchでは、「WORDMAN(ワードマン)」という邦題でリリースされている模様です。
LITTLE NIGHTMARES / LITTLE NIGHTMARES 2
第1作品目は、2017年にリリースされ、2021年にも、待望の続編がリリースされた傑作シリーズ。
子供のころに感じた奇妙な恐怖や不安の表現をテーマに、ホラーと2Dアクションを巧みに融合した作品になっています。ステージ全体的に暗い場面が多かったりと、「LIMBO」や「INSIDE」の雰囲気とも相通じる部分がありそうですが、こちらはダークファンタジー寄りなテイストです。
「LIMBO」などと同様に、本作も必要最低限のインターフェイスでジャンプなどの限られたアクションの中で、数々のギミックを解いていきます。もちろんストーリも多くは語られず、プレイヤーの想像力に委ねられている点も特徴。特に考察が好きな方にもおすすめしたいですね。
品質の高いプラットフォーム・ゲームを探しているなら、ぜひこのシリーズも外せません。
White Shadows
モノクロのディストピア世界を舞台にした2Dプラットフォーマーゲームです。このゲームでは、人類が動物的な存在と融合し、階級社会が崩壊寸前の世界を描いています。プレイヤーは鳥の少女として、抑圧的な社会からの脱出を試み、危険な冒険を繰り広げます。
本作の魅力は、その独特なモノクロの美しいビジュアルと、社会的メッセージ性の強いストーリーにあります。アクションとパズルが組み合わさり、進むごとに暗く重いテーマが明らかになります。
特に「LIMBO」や「INSIDE」のようなゲームが好きなプレイヤーにとって、このゲームの不穏な世界観と謎めいた雰囲気は魅力的に映るでしょう。また、手に汗握る瞬間や思考を刺激するパズルが豊富で、プレイヤーを深く引き込む力があります。
「White Shadows」は、アート性が高く、メッセージ性のある作品を好むプレイヤーにおすすめです。