2017年2月に発売された、インディタイトルである「Night in the Woods」というアドベンチャーゲームをプレイ。大学を中退したメイという猫のような風貌の主人公とともに、田舎町ポッサム・スプリングを舞台に、ティーンの甘酸っぱくも切ない物語が繰り広げられる。
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愛らしくも鬱屈とした半分大人の物語
本作は、登場人物はすべて動物をモチーフに描かれており、一見するとほんわかとした雰囲気を醸し出している。主人公メイは、大学を中退し、ふるさとの田舎町であるポッサム・スプリングに帰省してきたところから物語は始まる。
懐かしい友人と再会するも、どこか活気のない街で、やる気の出ない無力感の中、ただただ鬱屈した日々が過ぎていく。夜中に森にパーティへ出かけたり、バンド練習をしてみたり。若いころの生きづらくて、あの”グサグサ”くる感情が繊細に表現された物語。
素晴らしいテキスト
街中のモブキャラとの会話は、いずれもウィットやブラックユーモアに富んだテキストになっており、これが本作の独特な雰囲気を形成している。この作品の原作のテキストを読んだわけではないが、日本語へローカライズするにあたって、とりわけ繊細な翻訳作業が行われたのだろうを想像できるほどに、素晴らしいテキスト表現であると感じた。
ゲームとしては「単調」
本作は、ユニークなストーリは非常に魅力的であるものの、残念ながら「ゲーム」としてみた場合、単調で心惹かれる「遊び」が弱い。もしかすると、いわゆる「ビデオゲーム」ではなく、映画のような映像作品のほうが収まりがよかったのではないかと感じられた。普段からたくさんの刺激的なゲームを遊んでいる方にとっては、やや退屈な場面も。
本作のテイストが、名作「Life Is Strange(ライフ イズ ストレンジ)」の雰囲気に近いので、同作が好きだった方はお勧めできるかも。
プレイ時間:約8時間
プラットフォーム:PS4 Pro
レビュータイミング:クリア後