「The Plucky Squire ~ジョットと不思議なカラクリ絵本~」評価・レビュー 【PS5 / Nintendo Switch】

The Plucky Squire』は、創造的なゲームデザインとユニークなストーリーテリングが光るアクションアドベンチャーゲームだ。開発元All Possible Futuresが手掛け、プレイヤーに「絵本の中」と「現実の世界」を行き来する斬新なゲーム体験を提供する。ゲームは鮮やかな2Dと3Dを融合させたスタイルが特徴で、まるで物語の中に飛び込んだような感覚を味わうことができる。トレーラーを見た瞬間から、必ずプレイしようと決めていた作品。早速クリアまで到達出来たので、レビューする。


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絵本の中から始まる壮大な冒険

『The Plucky Squire』ゲームプレイトレイラー

物語は、絵本の中の勇敢な主人公「Jot(ジョット)」が織りなす冒険から始まる。彼は、絵本の中の世界で仲間とともに悪を倒し、平和を守っている。しかし、物語が進むにつれて、ジョットは絵本の世界から抜け出し、現実の3D世界に飛び込むことになる。プレイヤーは、この異なる2つの世界を行き来しながら、敵と戦い、謎を解き、物語を進めていく。

ストーリーの最大の魅力は、2Dの絵本のページをめくるように進む世界と、突然現実の3D空間に飛び出すという、斬新な世界観だ。絵本の物語が突然「現実」に進出することで、ゲームは大きな転換を見せ、プレイヤーは全く新しい次元での冒険を楽しむことになる。この設定が、単なるアクションアドベンチャーに新鮮さを加え、物語を進める楽しみが格段に増す。


2Dと3Dを行き来する独自のシステム

本作の最大の特徴は、2Dと3Dを融合したゲームプレイだ。プレイヤーは、最初に2D絵本の中の世界で、横スクロールアクションやパズルを楽しむ。しかし、物語が進むと、絵本の外へと抜け出し、現実の3D空間に移行する。3D空間では、完全に異なるゲームプレイが楽しめる。

家具の上を駆け巡ったり、現実世界のアイテムを使って謎を解いたりする体験は、2Dと3Dの切り替えがシームレスに進むため、ゲームが常に新鮮に感じられる。

2D部分のゲームプレイ:

  • 伝統的な横スクロールアクションが中心で、敵を倒しながら進むスタイル。簡単なパズル要素や、ストーリーに応じたクエストが展開される。
  • アクションはシンプルだが、直感的でレスポンスも良く、誰でも楽しめる操作性

3D部分のゲームプレイ:

  • 現実世界に飛び出すと、3Dのプラットフォームアクションや探索要素が楽しめる。絵本の中では見られなかったギミックやパズルが登場する。
  • 現実のアイテムを使って謎を解く場面や、ユニークな敵との戦闘が含まれており、プレイヤーを飽きさせない

この2Dと3Dの切り替えによって、ゲームは次々と新しいアイデアをプレイヤーに提示し、多様なゲームプレイが楽しめる。この構造が『The Plucky Squire』を、単なるアクションアドベンチャー以上の体験にしている。


絵本の世界がそのまま動き出す

『The Plucky Squire』は、ビジュアルの美しさと独自のデザインが際立つ作品だ。2D部分では、絵本の世界観そのものが忠実に再現されており、カラフルでかわいらしいキャラクターや背景が、まるで紙の上で生きているかのように動き出す。絵本のページが展開されるアニメーションや、デザインの細かい部分までが丁寧に作り込まれており、プレイヤーはまさに「絵本の中」に入り込んだような感覚を味わえる。

一方で、3Dの世界では、現実のオブジェクトが詳細に描かれ、リアルとファンタジーが融合した不思議な感覚が楽しめる。ジョットが現実世界の家具や日用品を使って謎を解いていく場面は、異なる2つの世界をうまく繋げており、そのビジュアル的なギャップがプレイヤーを引き込む。ライトの光が描く影や、絵本のページをめくる動作一つひとつが、丁寧に表現されている点も見逃せない。

「ポケットモンスター ソード・シールド」でアートディレクターを努めたジェイムス・ターナーが担当


世界観を引き立てる音楽と効果音

サウンドデザインも、『The Plucky Squire』の没入感を高める重要な要素だ。絵本の中で流れるBGMは、物語にぴったりの穏やかでファンタジックなメロディが多く、プレイヤーをリラックスさせる。一方で、3D世界に移行すると、少し現実的な音楽や環境音が加わり、まるで2つの世界がはっきりと分かれるような感覚を提供する。

また、キャラクターの動きやアイテムに合わせた効果音も繊細で、アクションにスムーズに溶け込んでいる。特に、2Dと3Dが切り替わる瞬間のサウンド演出は印象的で、プレイヤーに強いインパクトを与える。


まとめ:遊び心溢れる革新的なゲーム体験

The Plucky Squire』は、2Dと3Dの融合を見事に実現した革新的なアクションアドベンチャーである。絵本の世界から飛び出して現実世界を探索するという独自のコンセプトは、他に類を見ない斬新なアイデアだ。2Dの可愛らしい絵本スタイルと、3Dのリアルな世界を行き来することで、ゲームに新鮮さと驚きを感じ続けることができる。

また、日ごろゲームに慣れたユーザには、やや簡単すぎるところがあるが、シンプルで直感的な操作性と、巧妙なパズル要素も相まって、プレイヤーは物語の中に深く没入しながらも、自分のペースで楽しむことができる。

作風では「RPGタイム!~ライトの伝説~」に通じるところがあるかもしれない。ファンタジー好き、絵本のようなアートスタイルが好きな人にとって、『The Plucky Squire』は絶対に見逃せないタイトルだ。

【PS5/PS4/Nintendo Switch】10時間程度でクリア可能!サクッと遊べるおすすめゲーム

The Plucky Squire
プレイ時期:2024年9月
プレイ時間:約9時間
プラットフォーム:PS5
レビュータイミング:クリア後
シナリオ
グラフィック
音楽
新規性
やり込み度
良いところ
魅力的なアートワーク
2Dと3Dの見事な融合
丁寧なローカライズ
気になるところ
大人にはやや簡単すぎるかもしれない
4.3