旧作1,2とプレイ、クリアし、個人的にも大好きなシリーズの最新作「WATCH DOGS LEGION – ウォッチドッグス レギオン」がリリースされたので、この度PS5版でプレイ。早速クリアできたのでレビューする。
近未来ロンドンを舞台にしたオープンワールドゲーム
これまでシカゴ、サンフランシスコの街並みを再現してきた同シリーズだが、今回は、近未来のロンドンを舞台にしたオープンワールドとなっており、過去作同様、デッドセックの一員となりハッキングを駆使して悪と戦っていく。
『ウォッチドッグス レギオン』では、近未来のロンドンは崩壊の危機に瀕しており爆破事件で混乱が起きる中、権威主義者や日和見主義者が利欲に走っています。誰かが、それを食い止めなければいけません。
https://www.ubisoft.com/ja-jp/game/watch-dogs/legion
細部まで濃密に再現された街並み

本作は、開発元UBIが得意とするオープンワールドとなっているが、今回構築されたロンドンも、まさにこれでもかと言わんばかりの再現度で、路地裏や住居の屋上まで、手を抜くことなく、細かく再現をされている。文字通り人々の「生活」感が画面上から伝わってくる感覚だ。私自身はロンドンに行ったことがないが、まさに観光気分で本ゲームを楽しむことが出来る。
とりわけ、今回はPS5版を遊ぶことが出来たので、ビルのガラスに反射する街並みや、水たまりに投影される街灯がこれまで以上のリアリティを実現しており、圧倒的なグラフィック表現技術の進歩を感じる。
街に行きかう全ての市民を仲間に

本作の最大の特徴でもあるが、なんと今回はプレイヤーとなる特定の主人公が存在しない。プレイヤーは街を行きかう全ての市民から任意に仲間(スカウト)にして、その市民をプレイすることでゲームを進めるのだ。膨大な数の市民それぞれに、職業や生い立ちなどが設定されており、自由にそのキャラクターを操作することが出来るのだ。
そのバリエーションは、実に膨大で、ギャンブル狂のおばあちゃんや、銀行員、マジシャンなど、とんでもない個性のオンパレードだ。数多くゲームあれど、このようなシステムはなかなかに新鮮であり、新たな挑戦を感じるシステムであると感じた。
ストーリーは過去作との繋がりはないため、シリーズ未経験でも問題ない。
ゲームとしては奥行き不足
主人公不在の功罪
前述の通り、本作では特定の主人公が存在していない。街中の膨大な市民から自由に仲間にして、プレイを進める。これ自体は、非常にユニークで斬新なシステムであるが、特定の「主人公」がいないことにより、感情移入がしづらく、ゲームのストーリ自体も前作、前々作と異なり”薄味”な印象に仕上がっている。そして何より、このシステムのゲームへの落とし込みが不足しており、最初は楽しいがすぐに飽きてしまう。
せっかく、自由に膨大な市民からプレイヤーを選べるのであれば、もっと選んだキャラクタの特性や特技によって、攻略の仕方に変化を用意するなど、遊びの幅があると良かった。結局、誰を選んでも、それほど攻略の変化が乏しく、またミッションのバリエーション不足も相まって、割と中盤から、作業感が強くなるのは残念であった。
過去作品には存在していたクラフト要素なども無くなっていたり、お金を集めることはできるが、基本的にファッション以外に使い道がないためゲームシステムの奥行きが薄くなってしまった印象を受けた。
改行位置に難ありな”日本語字幕”
本作は、非常に丁寧な日本語ローカライズがなされているが、問題点は、日本語字幕である。日本人でない方が字幕を作ったのか、はたまたシステム上の制約なのかは定かではないが、日本語字幕の改行の位置が割と適当なのである。
日本語音声や翻訳自体はしっかりしており、プレイに支障がでたわけでは無いが、これまでこのようなことは無かったので、雑さを感じてしまう点は残念である。このあたりは、今後のアップデートで改善されると良いが、対応されるかは不明である。
追加DLCに期待
本作では、追加DLCが予定されている模様で、「ウォッチドッグス レギオン – ブラッドライン」の名のもと、なんとシリーズ1のエイデン・ピアースが登場。今回のゲーム本編が始まる前のロンドンを舞台に、新たなストーリが展開とのこと。まさに本シリーズの過去作ファンには期待せずにはいられない内容。
PS4版『ウォッチドッグス レギオン』を購入された方は、追加費用なしでPS5版にアップグレード可能とのこと。
プレイ時間:約20時間
プラットフォーム:PlayStation5
レビュータイミング:クリア後