2020年9月に配信され、個人的にも待ち望んでいた、前作「Ori and the Blind Forest(オリと暗闇の森)」の続編「Ori and the Will of the Wisps(オリとウィスプの意志)」をついにプレイ。
私は、XBOXを所有していないので、本シリーズをNitendo SwitchにリリースしてくれたMicrosoftには感謝しかない。このシリーズは、「メトロイドヴァニア」というジャンルで構成されう2Dアクション。とりわけ、圧倒的なビジュアルと心に残る楽曲が、プレイ後も余韻を残し、芸術的な側面すら感じられる神ゲーである。
前作もクリア済であるが、本作もようやくエンディングまで到達したので、早速レビューする。
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メトロイドヴァニアの最高峰
本作は、数あるメトロイドヴァニアというジャンルの中においても、ひときわ完成度、人気が高く、個人的には、「Hollow Knight (ホロウナイト)」と双璧をなす大好きなシリーズの1つだ。ホロウナイト同様、幻想的で美しいビジュアルと音楽とは裏腹に、2Dアクションの難易度が高く、何度も何度も死にながらトライ&エラーを繰返し、地下迷宮の探索を進めていくタイプのゲームシステムになっている。どちらかというと、「ホロウナイト」が、「戦闘」に比重を置いた作品だとすると、本作は、地形のギミックなどを活用した「アクション」に比重を置いた作風になっていると感じる。
前作とのつながりはあるものの、単体でも成立しており、今作から初めても問題はない。
さらに洗練度を増したシステム
広大かつ緻密に計算されたマップ構成
続編である本作も、前作に踏襲し広大な地下マップを少しずつ探索し、マップを埋めていくスタイルでになっている。そして、用意されたフィールドも、緑豊かな森、極寒の山、色鮮やかな湖、灼熱の砂漠、危険な暗闇と大量の虫に覆われた穴の中などバリエーションに富んでおり、どこを見ても美しく設計されている。
また、マップ構成も絶妙に設計されており、探しつくしたと思っていても、二段ジャンプや特殊技能を身に着けてから、再訪すると、新しい手掛かりや道を見つけることができる。これぞまさにメトロイドヴァニアと言える。
繊細な操作を要求される高難易度アクション
本作では、地下マップに張り巡らされた、さまざまな地形を、さまざまなアクション操作で行き来を繰返すことになる。そこが本作の魅力だが、ゲームが進行するにつれて、アイテムを購入したり入手し、できることが増えていくと、その難易度は劇的に上がっていく。
2段ジャンプからの壁張り付き、そしてさらに敵の攻撃を利用した、ジャンプなどなど。2時間もプレイすると指先が痛くなっているのを感じるほどだ。しかし、この難易度がかえって病みつきになる面白さを秘めている。何度も繰り返すうちにプレイが上達し、気づいたら難所を乗り越えている。この難易度のレベルデザインの巧みさが本作の魅力の1つと言えるだろう。
フルオーケストラによる感動的サウンド
本作を傑作にしているもう1つの要素に、相当な開発期間とコストをかけられたであろうフルオーケストラの楽曲がある。前作でお馴染みのあのテーマ楽曲はもちろん、今回も場面場面に応じ、様々なサウンドで盛り上げてくれる。音楽において、これほど贅沢なメトロイドヴァニアは、なかなかお目にかかることはできない。
気になるポイント
ゲーム進行の道しるべが少ない
本作は、メインストーリ以外にもサブシナリオがいくつか用意されている。マップにも何となく何をすればよいか示されているが、ヒントなども少なく、次に何を目指せばよいのか、どのあたりを探索すればよいのか、迷うことが多かった。この迷いこそが、メトロイドヴァニアに醍醐味なので決してマイナスではないが、ゲーム全体のプレイ時間に対し、あちこちを迷ってしまう時間が多くなると、ややテンポが悪いと感じる人もいるかもしれない。
私は、そんな状況ではあったが、全てのサブシナリオもクリアしたので、終わりよければ全て良しで、今は楽しい体験であったと感じる。
フレームレート低下と強制終了バグ
本作では、脅威のビジュアルと引き換えに、ところどころ最適化が出来ていない箇所が見られ、急に処理が重たくなり、スローモーションのような場面が生じることがあった。もっとも、プレイに支障をきたす程ではないので気にするレベルではない。それよりも、強制終了になるバグが2時間に1回程度の頻度で発生し、こちらはストレスと感じた。
リリース当時、強制終了バグが頻発していたが、現在は修正アップデートが入り、概ね解消されているのでご安心を!
プレイ時間:約18時間
プラットフォーム:Nintendo Switch
レビュータイミング:クリア後